特殊詐欺で逮捕された! 弁護士に相談すべき理由とは?
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近年、特殊詐欺の被害は増加傾向にあり、令和6年の足立区における特殊詐欺の被害件数は116件と、前年よりも減少傾向にあります。しかし近年は、特殊詐欺の新しい手口が増えており、警察は注意を促しています。
オレオレ詐欺(振り込め詐欺)などの特殊詐欺は、知らぬ間に加担させられてしまうケースも多く、犯行グループのひとりとして警察に疑われると、逮捕されてしまうおそれがあります。もし警察から連絡があった場合や、家族が特殊詐欺の疑いで逮捕された場合は、刑事弁護について速やかに弁護士へご相談ください。
本記事では、「家族が特殊詐欺で逮捕されたとき、どうすればよいのか」「弁護士に相談するメリット」「刑を軽くするためにできること」などについて、ベリーベスト法律事務所 北千住オフィスの弁護士が解説します。
出典:「令和6年区内の犯罪発生状況」(足立区)
1、特殊詐欺とは?
「特殊詐欺」とは、電話やインターネットを悪用し、対面せずに相手を信用させて金銭をだまし取る詐欺のことを指します。SNSを通じて犯行メンバーの募集を行うなど、手口が巧妙化しており、加害者側も自覚がないまま犯罪に加担してしまうケースが増えています。
特殊詐欺は、以下の10種類に分類されています。
被害者の親族を名乗り、トラブルに巻き込まれたなどと偽って金銭をだまし取ります。
② 預貯金詐欺
警察官、銀行協会や役所の職員などを名乗り、暗証番号を聞き出した上でキャッシュカードをだまし取り、現金を引き出します。
③ 架空料金請求詐欺
有料サイトなどの料金が未払いであると偽る、PCがウイルスに感染したと偽ってサポート費用を請求するなどの手口で、金銭をだまし取ります。
④ 還付金詐欺
医療費、税金、保険料などの還付金を支払うと偽り、被害者をだましてATMを操作させ、被害者の口座から犯人の口座へ送金させます。
⑤ 融資保証金詐欺
嘘をついて簡単に融資が受けられると信じ込ませ、融資を申し込んできた人に対して「保証金が必要」などと言って金銭をだまし取ります。
⑥ 金融商品詐欺
未公開株や仮想通貨、高価な物品などに関する虚偽の情報を伝え、その購入代金をだまし取ります。
⑦ ギャンブル詐欺
パチンコの打ち子などを募集し、申し込んできた人から登録料や情報料と称して金銭をだまし取ります。
⑧ 交際あっせん詐欺
異性を紹介すると偽って、申し込んできた人から登録料や保証金と称して金銭をだまし取ります。
⑨ キャッシュカード詐欺盗(窃盗)
警察官などを名乗り、「キャッシュカードが不正利用されている」などと偽って、被害者にキャッシュカードを準備させ、隙を見てポイントカードなどとすり替えて盗みます。
⑩ その他の特殊詐欺
上記の類型に該当しない特殊詐欺です。
2、特殊詐欺について成立する犯罪と量刑
特殊詐欺に加担した人には、以下のような犯罪が成立し、厳しい処罰を受ける可能性があります。家族が特殊詐欺の疑いで逮捕されてしまったら、早急に弁護士に相談し、適切な対応を検討することが重要です。
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(1)詐欺罪・組織的詐欺罪
他人をだまして財物を詐取する行為には「詐欺罪」が成立します(刑法第246条第1項)。詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
さらに、詐欺行為が組織的に行われた場合、「組織的詐欺罪」(組織的犯罪処罰法第3条第1項第13号)が適用され、「1年以上の有期拘禁刑」となり、通常の詐欺罪よりも重い刑罰が科されます。
特殊詐欺の実行役として加担してしまうと、単なる詐欺罪ではなく組織的詐欺罪が適用されるケースが多く、量刑が重くなるため注意が必要です。 -
(2)窃盗罪
被害者のキャッシュカードを盗み取ったり、ATMから不正に現金を引き出したりした場合は「窃盗罪」が成立します(刑法第235条)。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。 -
(3)住居侵入罪・建造物侵入罪
特殊詐欺に当たる行為をする目的で、被害者の住居や銀行などに侵入した場合は、「住居侵入罪」や「建造物侵入罪」が成立します(刑法第130条第1項前段)。
住居侵入罪および建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」です。
3、特殊詐欺で軽い処分になるケースとは?
特殊詐欺は厳しい処罰を伴う犯罪ですが、以下のような事情がある場合は、量刑が軽減されて執行猶予が付く可能性も十分あります。
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(1)初犯である場合
特殊詐欺に加担するより前に、犯罪によって摘発されたことがない場合は、犯罪性向が強くないと判断されて量刑が軽くなることがあります。
ただし、特殊詐欺による被害額が大きい場合や、犯罪グループの主要メンバーとみなされた場合、被害者に対して暴行をした場合など、事件内容が重大なケースでは、初犯であっても実刑となる可能性が高いので注意が必要です。 -
(2)20歳未満である場合
特殊詐欺に加担した人が未成年(20歳未満)である場合は、成人よりも更生の可能性が高いと考えられるため、少年法の適用により、処分が軽減されることがあります。
また、少年に対して有期拘禁刑が科される場合は、長期(上限)と短期(下限)を定めた不定期刑が言い渡されます。長期は最長15年、短期は最長10年の範囲で決められます(少年法第52条第1項)。
たとえば、組織的詐欺罪の法定刑は最長20年(併合罪加重で30年)ですが、未成年者には拘禁刑15年が上限となります。 -
(3)犯罪の関与度が低い場合(使い捨ての実行犯・受け子など)
詐欺グループの首謀者ではなく、指示に従って動いただけの「受け子」「出し子」などの場合は、刑が軽減されることがあります。特に、本人が詐欺の全容を知らずに加担したケースでは、悪質性が低いと判断されることもあります。
ただし、たとえ末端の役割であっても、詐欺の一環として活動していた事実は厳しく評価されるため、弁護士と相談しながら対応することが重要です。
お問い合わせください。
4、特殊詐欺で逮捕されたあとの流れ|弁護士ができること
家族が特殊詐欺の疑いで逮捕された場合は、以下の流れで刑事手続きが進行します。各段階において適切に対応するには、弁護士に依頼してサポートを受けましょう。
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(1)逮捕~勾留請求(最長72時間)
・逮捕直後
警察に身柄を拘束されます。取り調べでは、不利な供述をしないよう慎重に対応することが大切です。
すぐに弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることが重要です。
・逮捕から48時間以内
逮捕から48時間以内に、警察署から検察庁へ送致されます。
・逮捕から72時間以内
検察官は、送致を受けてからから24時間以内に、勾留するか否かを判断し、釈放あるいは裁判官への勾留請求をします。逃亡や証拠隠滅の恐れがなければ釈放される可能性があります。
検察官が勾留請求をする場合には、弁護士は裁判官に勾留の要件を満たしていないということなどから、釈放を求める意見書を提出することができます。 -
(2)起訴前勾留~起訴(最長20日間)
・勾留決定後(逮捕から3日目以降)
勾留決定が出ると、原則10日間(最長20日間)身柄拘束が続くことになります。弁護士に早期釈放を依頼しましょう。勾留決定に対して、準抗告(裁判所への不服申し立て)等を行い、勾留の取り消しを求めることができます。
・勾留20日目まで
検察官が起訴するか判断します。不起訴の場合は即時釈放となります。起訴される可能性のある場合は、保釈請求の準備を進めましょう。 -
(3)起訴後勾留・公判準備(2か月以上)
・起訴後(勾留延長の可能性あり)
起訴前までは「被疑者」ですが、起訴されると「被告人」となり、身柄拘束が続きます。勾留期間は2か月間が基本ですが、裁判が終わるまで1か月ごとに延長されることがあります。
・起訴後すぐ
弁護士が保釈請求を行うことができます。裁判所が逃亡や証拠隠滅の恐れがないと判断した場合、保釈保証金を納めることで身柄の解放が認められる可能性があります。
・裁判の準備期間
弁護士と今後の方針をしっかり相談しましょう。無罪を主張するのか、情状酌量を求めるのか、証拠の整理を進めます。 -
(4)公判手続き~判決(約1か月~数か月)
・公判期日が決定
起訴後、おおむね1か月ほどで裁判が始まります。争点を整理し、証拠や証人の準備を進めましょう。
・第1回公判(初公判)
検察官が証拠を提示し、被告人が罪を認めるかどうかを確認します。その後、証人尋問や証拠調べが行われます。
・弁護士の弁護活動
情状酌量を求める場合は、反省の態度や更生の意思を示すことが重要です。被害者との示談が成立すれば、刑が軽くなる可能性があります。
・判決言い渡し
裁判が終わると、判決が言い渡されます。無罪の場合は即時釈放、有罪の場合は刑が確定し、執行猶予がつくかどうかが決まります。
5、家族が特殊詐欺で逮捕されたら弁護士に相談すべき理由
家族が特殊詐欺の疑いで逮捕されてしまったら、速やかに弁護士へ相談しましょう。弁護士に相談することの主なメリットは、以下のとおりです。
- 早期の身柄解放に向けた弁護活動をしてもらえる
- 被害者側と示談交渉を代行してもらえる
- 家族が面会できない状況でも、面会や差し入れをしてもらえる
- 不起訴となる可能性が高まる
- 起訴されても、執行猶予が付く可能性が高まる
刑事弁護を依頼する際に気になるのが費用です。弁護士費用は事務所によって異なるため、依頼を検討する際は事前に金額の目安を確認することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所の刑事弁護費用については、こちらのページ(ベリーベスト法律事務所 刑事事件サイト)をご参照ください。
お問い合わせください。
6、特殊詐欺事件で逮捕されたらすぐに弁護士に相談を
特殊詐欺で逮捕されると、長期間の身柄拘束や厳しい刑事処分を受ける可能性があります。しかし、適切な弁護活動によって、早期釈放や不起訴、刑の軽減を目指すことができます。特に、初犯や未成年の場合、弁護士が適切な弁護活動を行うことで、処分が軽減される可能性があります。
逮捕後の対応は時間との勝負です。少しでも早く弁護士に相談し、適切な対策を講じることが重要です。ご家族が突然逮捕され、どうすればよいかわからない場合は、弁護士に相談することで、今後の見通しを立て、冷静に対応できるようになります。
ベリーベスト法律事務所は、刑事弁護に関するご相談を随時受け付けております。
元検察官の弁護士など、刑事事件の対応経験を有する弁護士が在籍し、ご依頼者さまの状況に応じた弁護活動を行います。できる限り迅速に対応し、逮捕された方の身柄をできる限り早期に解放できるよう尽力いたします。
特殊詐欺で家族が逮捕されてしまった方は、すぐにベリーベスト法律事務所 北千住オフィスへご相談ください。
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