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書類送検されると会社にバレる? 前科はつく? 手続きの流れについて

2022年10月04日
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書類送検されると会社にバレる? 前科はつく? 手続きの流れについて

テレビのニュースや新聞記事をみていると「書類送検」という用語がたびたび登場します。たとえば、平成29年に足立区などで医院を展開する医師が、患者に対して不適切な手術をおこない、その後患者が死亡した事件がありました。この事件で、医師は書類送検されました。

罪を犯して事件になると「逮捕」されるものだというイメージがあるかもしれませんが、実は「書類送検」されるケースが多いということを知らない方は少なくはないでしょう。では、書類送検とは一体どのような処分なのでしょうか? 書類送検されると、会社にバレてしまったり、前科がついてしまったりするのかも気になるところです。

本コラムでは「書類送検」とはどのような処分なのか、会社にバレたり前科がついたりするおそれはあるのか、書類送検されるとその後はどのような手続きが進むのかをベリーベスト法律事務所 北千住オフィスの弁護士が解説します。

1、「書類送検」とは?

事件の報道でも聞き慣れた「書類送検」という用語ですが、意味を把握できていない方は少なくないはずです。まずは「書類送検」がどのような処分なのかを確認していきましょう。

  1. (1)「書類送検」の意味

    罪を犯した疑いのある人を最初に捜査するのは、警察です。しかし、警察が処罰を下すわけではありません。有罪・無罪を判断するのは裁判官であり、有罪か無罪か、また、有罪の場合どのような刑罰が科せられるかは刑事裁判の場で決まります。では、罪を犯せば必ず刑事裁判が開かれるのかというと、そうとは限りません。

    刑事裁判が開かれるのは、検察官が刑事裁判を提起する「起訴」の手続きを取ったときに限られます。起訴の権限は検察官だけに与えられている特権で、警察には起訴の権限はありません。つまり、罪を犯した疑いのある人が処罰されるかどうかは、処罰を決める場である刑事裁判にかけるかどうか、というところが第一段階となっており、その判断は検察官にかかっているのです。

    警察が捜査した事件は、原則として全件が検察官へと引き継がれます。これがニュースなどでも耳にする「送検」と呼ばれる手続きです。
    逮捕によって被疑者の身柄を拘束している場合、警察はその身柄と関係書類をすべて検察官へと送検しますが、身柄拘束を伴わない在宅事件では関係書類のみが引き継がれますこれを、送検と区別するための名称が「書類送検」です

  2. (2)書類送検される人の割合

    刑事事件を起こして捜査の対象となった場合、基本的なルートは「逮捕によって身柄を拘束されたうえで送検される」あるいは「逮捕されずに書類送検される」の二択です。

    令和3年版の犯罪白書によると、令和2年中に検察庁が処理した事件の総数は28万1342件でした。うち、警察に逮捕されて身柄つきで送検された人の数は9万7683人、逮捕されずに書類送検された人の数は17万6076人です。
    全体におけるそれぞれの割合を比較すると、次のようになります。

    • 身柄つきの送検……34.7%
    • 逮捕されずに書類送検……62.5%
    ※残りは警察で逮捕後に釈放、あるいは検察庁で逮捕


    このように、刑事事件における多くのケースが在宅事件として書類送検されています。逮捕を伴う事件は大きく報道されることが多いので注目されますが、実は逮捕されず書類送検される事件の割合が圧倒的に多いのです。

2、書類送検されると会社にバレる? 前科はつく?

事件を起こして警察から検察官に書類送検されると、会社にバレたり、前科がついたりするのでしょうか?

  1. (1)書類送検は会社にバレる?

    書類送検された事実が会社に知られてしまうと、解雇・降格・減給といった処分を受けるかもしれません。しかし、「書類送検された」という情報が会社に知られる可能性は低いでしょう。なぜなら、個人が刑事処分を受けるか否かは極めてセンシティブな情報なので、警察が書類送検の事実を伝えることはしませんし、会社側は雇用主であっても簡単に開示を受けることはできないからです。

    会社が被害者となる事件であったり、社会的な注目が大きく個人名が実名で報道されたりするような状況でなければ、書類送検されたことが会社に知られてしまうおそれは低いといえるでしょう。

    また、仮に、会社が書類送検をされたことを知っていたとしても、直ちに懲戒解雇が有効となるわけではありません。書類送検された時点では検察官が起訴しておらず、刑事裁判が開かれてもいないので「犯人」とはいえない状態です。裁判官が有罪と判断し、刑罰が下されない限りは「犯人」ではないので、書類送検を理由とする懲戒処分は不当だと考えられます。

    そもそも、解雇は、会社の就業規則に定められた解雇事由に該当するか、客観的に合理的な理由があるか、社会通念上相当といえるかなど、極めて厳格な要件を満たさないと適法とはならないので、書類送検されただけで懲戒解雇されてしまった場合は不当解雇であると争っていくことができるでしょう。

  2. (2)書類送検でも前科はつく?

    書類送検されただけでは「前科」はつきません。前科とは、刑事裁判を経て有罪であると裁判官から認められ、刑罰が科せられた経歴を指すものです。前述のとおり、書類送検された段階ではまだ刑事裁判が開かれていないので、刑罰が科せられることはなく、前科もついていません

    ただし、前科がつかなくとも、書類送検された場合には、警察が管理する「犯罪経歴」に記録されます。いわゆる「前歴」は残るので、別の事件を起こしてしまった場合は以前の犯罪経歴が参照され、逮捕の可能性が増すなどの不利益につながるかもしれません。

3、書類送検された後の流れ

書類送検されると、その後はどのような刑事手続きを受けるのでしょうか。

  1. (1)検察官による取り調べを受ける

    書類送検を受けた検察官は、警察が作成した捜査書類を熟読したうえで自らも被疑者を呼び出して取り調べをおこないます。在宅事件では、検察官から「◯月◯日の◯時に検察庁へと出頭するように」との連絡を受けて、指定された期日に取り調べを受けることになるでしょう。

    検察官による取り調べでは、警察で尋ねられた内容と同じ質問を受けるかもしれません。しかし、検察官は「被疑者を起訴するか、それとも不起訴にするか」を判断するために取り調べをするので、警察とは異なる視点をもっています。そのため、質問の内容が警察と重複していて面倒に感じても、誠実に対応することが大切です。

  2. (2)検察官が起訴・不起訴を判断する

    検察官は、警察の捜査結果を踏まえ、自身による被疑者の取り調べを経たうえで「起訴」あるいは「不起訴」を決定します。身柄を伴わず、書類送検された事件を起訴することを「在宅起訴」と呼びます。

    真犯人ではないのが明らかである、証拠が不十分である、証拠はあるが刑罰を科す必要がないと判断した場合は「不起訴」です。不起訴になると、刑事裁判が開かれないため事件はそこで終結します。

  3. (3)起訴されれば刑事裁判になる

    在宅のまま起訴されると、裁判所から刑事裁判の期日が郵送で通知されます。指定される期日は裁判所が開庁している平日・日中なので、仕事の用事などを調整してでも必ず出頭しなければなりません。

    一般的な刑事裁判は数回に分けておこなわれます。最終回の日には有罪・無罪の別と、有罪の場合は法律が定めた範囲内で適切な量刑が言い渡されて、刑事裁判が終結します。

4、書類送検されたら弁護士に相談を

書類送検と聞くと、逮捕による身柄拘束を伴わないことから「軽い処分で済まされた」と感じるかもしれません。しかし、書類送検のことを軽い処分だと考えるのは間違いです。

書類送検された場合でも、検察官の判断次第では起訴されて刑事裁判に発展するおそれがあります。有罪になれば刑罰が科せられ、前科がつくので、思わぬ不利益につながってしまうかもしれません。

たとえ在宅事件として処理された場合でも、書類送検されたら弁護士に相談してサポートを受けましょう。

  1. (1)検察官の取り調べに対するアドバイスが得られる

    書類送検されると、後日、検察庁に呼び出されて検察官による取り調べを受けることになります。

    不用意な供述や、警察の捜査段階で述べた内容とかけ離れた供述があると、検察官が起訴に踏み切る可能性があるので、綿密な打ち合わせやシミュレーションが必須です。起訴・不起訴を決める重要な取り調べなので、弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

  2. (2)不起訴処分を目指した弁護活動が期待できる

    検察官が不起訴にする理由の多くが「起訴猶予」です。起訴猶予とは、犯罪の証拠があり、刑事裁判では有罪判決が下される可能性が高い状況でも、諸般の事情からあえて罪を問わないという処分で、不起訴のおよそ7割を占めます。

    被害者に謝罪と被害弁済を尽くして許しを得る「示談交渉」が実を結べば、起訴猶予となる可能性が高まりますが、被害者との直接の示談交渉は容易ではありません。被害者の警戒心を和らげたうえで和解を目指すためにも、第三者である弁護士に対応を一任したほうが安全です。

  3. (3)刑事裁判における弁護活動が期待できる

    書類送検されたうえで在宅起訴されると、刑事裁判が開かれます。刑事裁判では、罪を犯したことが事実であるのかを裁判官が慎重に審理したうえで、さまざまな事情に照らして量刑を決定します。

    被告人にとって有利な事情の存在を裁判官に主張すれば、量刑が軽くなる可能性があります。被害者への謝罪・弁済などを含めて弁護士に対応を任せることで、有利な処分の獲得が期待できるでしょう。

5、まとめ

逮捕を伴わない在宅事件の捜査を終えた警察が、検察庁へと関係書類を引き継ぐことを「書類送検」といいます。軽い処分だと思われがちですが、警察から検察庁へと事件が引き継がれる際の方法が異なるだけで、逮捕・送致された場合と基本的な流れは同じです。
検察官が起訴に踏み切れば刑事裁判が開かれ、刑罰が科せられるおそれもあるので、軽視してはいけません。

書類送検されたら、検察官による取り調べへの対策を講じたり、不起訴などの有利な処分を目指して被害者との示談交渉を進めたりする必要があります。これらの対応には専門知識が必要になり、個人で対応するのは難しいので弁護士に相談するのがよいでしょう。刑事事件のことは解決実績が豊富なベリーベスト法律事務所 北千住オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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